祭り半ばにして。


…今朝のことですが、なんだかもう遠い昔のような気がします…。
本当に、本当に日本は負けてしまったのですね…。

−−−−−−高松−−−−−−
−−−ヨシト−−−松井−−−
−−−−−−小野−−−−−−
−−−阿部−−−今野−−−
−駒野−闘莉王−茂庭−徳永−
−−−−−−曽ヶ端−−−−−−
パラグアイ戦の教訓から、小野ちんと松井くんを併用してくることは予想していました(どっちかというとふたりはもっと前後の関係だったかもしれないけど、山本監督コメントで「今日は3トップでした」とのこと)。入場のときにその姿を発見して「ややややっぱり!」と気を引きしめた風子。
しかしあっけなく前半8分までに2失点、日本はまた相当の重荷を背負うことに…。
ゴール前にそこそこ人数をそろえて守っていても決めてくるイタリアがすごいのか。見てるだけじゃなく本当ファウルぎりぎりの攻防というのを、Jリーグでは体感できない(FWにそれだけ仕掛けてくる選手がいない)からなのかなあ…。
そして徳永くんの負傷退場にともない、那須くんが復活。早々と3人の交代枠を1枚切らなくてはいけなかったことがのちのち響いてくる…。

−−−−−−高松−−−−−−
−−−ヨシト−−−松井−−−
−−−−−−小野−−−−−−
−−−阿部−−−今野−−−
那須闘莉王−茂庭−駒野−
−−−−−−曽ヶ端−−−−−−
やはり左右どちらもできるユーティリティプレーヤー駒野くんは貴重な人材だなあと思う。けども、今日の駒野くんはクロスの精度がまったく悪く、風子の期待に応えてくれません。わーん…。駒野くんが最終的に五輪メンバーに入った理由を、もっと皆の衆にアピールして欲しかったのに…。
松井くんと小野ちんと阿部っちか今ちゃん闘莉王で、パスを細かくつないで前線へ一気に送る、というところまでは行くけれども、決定的な場面まではもっていけない。シュートも打ってるけどどうにも「惜しい!」と言えるとこまでいけない。焦れる。
そしてすばらしい阿部っちのFKを見たあと、これ以上の失点はもう無理なのに、イタリアにとどめの3点目を入れられてしまう。

−−−−−−高松−−−−−−
−−−ヨシト−−−達也−−−
−−−−−−松井−−−−−−
−−−小野−−−今野−−−
那須闘莉王−茂庭−阿部−
−−−−−−曽ヶ端−−−−−−
後半に入って松井くんがトップ下になり、そこにたっちー投入。と、ここでこの試合最大のチャンスが訪れる。
しかし松井くん、痛恨のミス。
風子は松井くん大好きだしあのシーンだけが松井くんの見せ場じゃなかったと思うしよく働いていたと思うけれども、あれは決めなきゃダメだった。後半開始キックオフ直後、入ったばかりのたっちー(田中達也)からのスルーパスでGKと1対1、あそこで決めてたら残り45分まるまる使えた。慎重になりすぎたんだろうか。本当悔やまれる。解説井原さんが「GKの位置を見極めようとして時間かけてしまった」と弁護してくれてたのが唯一の救いか。

それからはもうあれよあれよという間に時間が過ぎていき、ロスタイムでの追加点は阿部っちFKからの高松くんヘッド。喜んで信じて「早く試合再開しなきゃ」と思ってたところで、相手GKとの小競り合いになってしまう。一発触発のぴりぴりした中でみんながんばってたんだなあと胸を痛める風子に、追い討ちをかける動きが見えた。

早くボールをセンターサークルへ戻そうとするヨシトに、相手GKはボールを離さずぎゅっとつかんで、あきらかに遅延行為だった。ロスタイムに入っているとはいえ、『15秒でシュートへ持ち込む』ことを練習してきた(はずやねんけどなあ…)日本選手にとっては、まだ同点のチャンスはあったし。それが発端になってヨシトや高松くんや闘莉王や阿部っちがフォローしたりされたりで入り乱れる中、だれかが阿部っちと闘莉王のユニをひっぱっていたの。「もういいから早く再開するからポジションつけよ…!」とばかりに(モニっぽかったかなあと思うんだけどどうだろう)。
それ見て風子ますます胸がいっぱいになってしまいました。みんな必死だった。負けたらオリンピックで戦えるのはあと1試合だけになってしまう、そういう悲壮感がきつかった。

しかし無情に鳴り響く、終了の笛。

終わった瞬間は放心状態で、あーもうこのユニ(代表10松井ユニを着ていた)着るのも、ガーナ戦のあとはないんだなあとぼんやり考えてました。アテネでアピールして海外移籍の足がかりに、と思っていたのはどうなってしまうんだろうとか、36年ぶりのメダルは次回40年ぶりのメダルになればいいなあとか。頭が働かなかった。相手とユニ交換する小野ちんに「負けたのにいやじゃないのかなあ」と考えつつ、そのあと審判につめよってるのを見て、小野ちんは優しいからいろいろ責任感じてるのかなあと。勝つために、U−23世代の誰かを切ってチームに合流したのに、結局グループリーグ敗退だったら、やっぱり…。異議でイエローもらってたし、小野ちんがあれだけ厳しい表情してたらそれもまたつらい…。
泣いてるヨシトに山本監督が肩たたいて慰めてるのとか、モニがピッチに呆然と座ってるのとか、そういうの見てたら本当胸が痛かったです。

今回の交代選手は、【徳永→那須(負傷交代)】、【駒野→達也(攻撃的布陣へ)】、ときて、最後の1枚をどう切るかが見ものだったのですけど、【松井→森崎】でしたね。松井くんはけっこういっぱいいっぱいだったし仕方ないかなあと思ったんだけど、森崎くんよりナオくん(石川くん)を風子は待っていました。
【松井→森崎】が行われる前の前線は、高松ヨシトたっちー松井とごちゃごちゃしていたわりに、みんなが中央に固まっていてサイドに流れるひとがいなかった。ペナルティエリア角で1本外に出してもう一度クロス、という形が、人数的にはできるはずなのに、ペナ前でボールを持った選手がパスコースを探しているとき、サイドががら空きになっていた。もしもだれかがサイドに流れて、そこにDFが引っぱられてくれたら、サイドと中央でDFが分断されて、小野ちん今ちゃん阿部っちのミドルシュートの精度が、相手DFを避ける小細工をしなくてすむ分確率として上がるんじゃないかなーと思っていたので、ぜひともサイドへ切り込める人材を風子は起用して欲しかったのです。この時点で徳永駒野はすでに使っていたから、残るはナオくんが頼りだ、と。
森崎くんも左サイドとして使われているわけですけど、持ち味は浅めからのアーリークロスで、ドリブルでサイドをえぐっていくタイプじゃない(ように思う)。えぐっていけば相手DFもマークにつかざるを得なくなるけど、浅めからなら多少放っておいてもイタリアは中を固めてくる。そしたら高松くんはまだしもヨシトやたっちーには不利で、ミドルを打ってもDFに当たってしまう。左の那須くん、右の阿部っちがサイドバックとして前線に合流できればもちろん良かったのだけど(A代表でいうサントスや加地くんの役割)、体力的に厳しい時間だったし、とにかく点を取らなきゃいけなかったから、松井くん下げて中盤を小野ちんと今ちゃんに任せて、高松くんへラストパスか中をあけてヨシトたっちーのキレに期待するか、どっちにしてもDFをサイドにひきつける役割のできる子を入れたかった。松井くんを下げる前にたっちー(右)かヨシト(左)がサイドに開いて中へクロス、というのができなかったからなあ。森崎くんはトップ下もできるだろうけど、ペナ内へ飛び込んでくるタイプではないからなあ(少なくとも松井くんよりは)。

特記として良い選手だなあと思ったのは、たっちーとヨシトでした。
パラグアイ戦後、「前半ベンチから見ていてもっと走れる、みんなもっとやらなきゃいけない思った」ということを話していたたっちー。たっちーの良さは『いつもどんなときでもボールを持ったら前を向く』ということだと思うのだけど、あれはプレースタイルというよりは持論というか、精神的なことが大きいんだなあと改めて思いました。他の選手が思わず甘くなってしまうそういうところを、たっちーはいつも自分に厳しく期待している。山口から出てきて帝京高校で周囲のレベルに驚いて、身長で不利な自分が極められるのはドリブルと速さだと思ったらとにかくそこを伸ばしていた、そういうことも、たっちーの性格によるところなのではないかなー。
ヨシトは昨年末よりいろいろあってヘコまされたりもしたけど、今回はファウルぎみにされても倒れないようにふんばってました。キレそうなところでも我慢して、味方を励まし続けていた。セレッソでキャプテンマークを巻いたり、U−23でチームメイトがライバルだったりしたことが、ヨシトを成長させたんじゃないかなと思います。もうひと皮ふた皮むける余地はあるんだ、次にA代表に招ばれたときこそ、本当に真価を発揮できるはず。

36年ぶりのメダルはどうでもいいけど、海外移籍のための足がかりになれば、と考えていたから、とても悔しいです。あと1試合しかそれをアピールする場がない。山本監督はガーナ戦だれを使うつもりなんだろう。できれば小野曽ヶ端じゃなく、出場機会の少なかった選手を出して欲しいけど、それは本当に感情論なんだろうなあ。でもあれだけの予選をくぐり抜けてきて、涙を呑んだチームメイトたちも日本に置いてきたあげく、出場せずに自分の良さもアピールできないなんて、悲しすぎる。

スポーツは結局結果がすべてだって知ってます。だけど、このチームが、選手が、風子にサッカーを近づけてくれた。
それを思うと、監督采配や選手の実力について冷たくされそうな五輪後のことが厳しいです(監督ばっかりとか、特定の選手ばっかりを責めるのは違う気がします、全員いてこそのU−23チームだ)。
本当はもっとできるチームだと信じてました。だからオリンピックでこのチームを知ったひとよりも、もっともっとふがいなさを感じてるし、どうしてこんな結果にと思うと本当に悔しい。クロスの精度がもう一歩良かったら、あとワンテンポ早く思いきりのいいシュートが打てたら、もうちょっとだけ自陣に戻るタイミングが早かったら。
U−23を応援していたひとはもちろん、選手もそう思ってるんだろうなあ…。特にあの1対1で決められなかったとこなんて、松井くん相当悔やんでるんだろう…。
いつかきっと日本代表に招集されてそのときに恩返ししてくれると思います、だから、これからも松井くん(や、みんな)が、ケガなくサッカーができますように、そして「アテネで負けたことが糧になりました」と言える日がきますように。

なんかいろいろつらいなあ…。
精神的に疲れた風子、昨日のフットサルでの筋肉痛がさらにのしかかっております…。